グローバルHRフォーラムジャパン

GLOBAL HR FORUM JAPAN 2017 REPORT

日本企業のグローバル化とダイバーシティ~鍵はマイノリティ・マネジメントにあり~

高津 尚志氏
[IMD 北東アジア代表]
田沼 泰輔氏
[株式会社博報堂DY アイ・オー  前・代表取締役社長]
伊藤 健志氏
[立命館アジア太平洋大学 学長室 東京分室 課長]

イノベーションとは異質の知の融合であり、そこではマイノリティを含む自分と異なる人をいかに理解するかが問われる。しかし、日本企業でメインストリームを歩いてきた人の多くには、マイノリティ経験がない。どうすれば、マイノリティの気持ちを理解できるのだろうか。日本企業のグローバル化とダイバーシティ、そしてその鍵となるマイノリティ・マネジメントについて、IMD北東アジア代表の高津氏、博報堂DYアイ・オー前社長の田沼氏、立命館アジア太平洋大学の伊藤氏の三人が語り合った。

■異質なもの、面倒なものから学ぶ覚悟

 まず、立命館アジア太平洋大学の伊藤氏が登壇。立命館アジア太平洋大学(APU)は、2000年4月に大分県別府市に開学。開学時には「国際学生(留学生)比率50%、学生の出身国・地域50ヵ国・地域、外国籍教員 50%」の目標を掲げた。
「APUは、日本人のためだけにつくられた大学ではありません。開学から18年目を迎えますが、現在は外国人のほうが多くなっています。90ヵ国の人が在籍していますが、あるオーストラリア人の女子学生がAPUについて、こう説明しています。“Just different, not strange” APUはまさに、ダイバーシティの場なのです」

 1年間に留学生660人が入学。そのうち200人ほどが日本に残る。なぜ彼らは日本で働くのか。
「一つは、世界最高水準のソーシャルキャピタルがある日本で、世界の発展に役立てる架け橋になりたい、と考えているからです。また、正社員として雇用されるということは、安全な社会で世界トップカンパニーの幹部候補生として採用され、チャンスを与えてもらえること。安心・安全な社会を支える仕組みを学び、自らのキャリアに付加価値を付ける目的もあります。もちろん日本が好きで、日本を世界に発信したいという思いも……

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