グローバルHRフォーラムジャパン

GLOBAL HR FORUM JAPAN 2017 REPORT

これからの日本企業の戦略的人事~日本企業のマネジメントは輸出できるか~

八木 洋介氏
[株式会社people first 代表取締役/株式会社ICMG 取締役/株式会社IWNC 代表取締役会長/前株式会社LIXIL グループ 執行役副社長]
日髙 達生氏
[株式会社リンクグローバルソリューション 取締役]

戦略人事という言葉はよく聞かれるが、その実践は難しい。舞台がグローバルとなれば、なおさらだ。前LIXIL グループ副社長の八木氏は「日本の人事を世界で行うのは無理がある」と語る。正しいことが正しいと言えるような、世界基準の人事に変えなければ輸出はできない。そのために日本企業は何を変えるべきなのか。八木氏が語った。

■「人と組織で最高のパフォーマンスを出す」ことはすべてにつながる

 日本企業における戦略的人事とは、どんなものなのか。八木氏は会場の出席者に問いかける。

「 皆さんはトップから『人事戦略をつくれ』と言われたことはありませんか。でも多くの場合、トップは『何のために』という目的を言ってくれません」

 八木氏は「目的のない人事戦略はあり得ない」という。ゴールのない戦略などあり得ない。もし強引に行おうとするとどうなるか。「人事は隣の会社を見に行くようになります。挙句の果てに起こるのが“ 日本的人事 ” です。これはジョークでしかない。人事は、会社の経営を他社と差別化するためにある。それなのに他のまねをしてしまっているようでは、私たちは企業に対して『貢献しません』と宣言していることに等しい」

 八木氏は戦略を考えるときにフレームワークを活用している。デイブ・ウルリッチが提唱した人事機能の援用だ。三角形の頂点にあるのが「企業、事業戦略の実践:Business Partner」「人事管理:HR Management」「人と組織の活性化:People Champion」。そして八木氏はこの中心にあるのが、人事の役割である「変革のリーダー:Change Leader」だと語る。人事から率先して変わ……

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